どういうことだ?
リト君の出所にあわせて、僕まで釈放となるらしい。
もしかしてリト君が、僕の保釈金まで払ってくれたのか?


壱太: 「リトの知り合いって犯罪者じゃないだろうな。」

リト: 「壱太君に言われたくないなぁ〜。」

二菜: 「手続きも終わったし、もうすぐ出てくるはずよ。」


ガチャン・・・。

僕を出迎えてくれた面子はとても怪しそうな人たちだった。


リト: 「次郎やったな!もう泣くんじゃないぞ!」

次郎: 「やっぱりリト君のおげか!ありがとう!」

僕もリト君のテンションに付き合えるほど、嬉しくて気持ちは高ぶっていた。
しかし、やっぱり泣いていたのは気づかれていただようだ・・・恥ずかしい。


次郎: 「あれ…?君は確かあの店で…。」

二菜: 「あー!どっかで聞いた名前だと思ったら次郎、あなただったのね。」


次郎: 「ありがとう。お金は必ず返すから。」

二菜: 「気にしないで。あなたにゲームをふっかけた私の非でもあるから。
まさか、あなたがアイツの餌食になるなんて思わなくって。ゴメンナサイ。」


どうやら僕は、リト君の仲間に助けられたらしい。
怪しい人たちではあるが、感謝の気持ちでいっぱいだった。


僕を家まで送ってくれるようだ。

しかし、わからないものだなぁ…。
僕のような平凡な男が、裏の世界に巻き込まれたり、
怪しい人に助けられたりするなんて。


無防備に生きていると、いとも簡単に悪の道へ転んでしまう。
僕はこの数日で、そのことを思い知ったよ。


リト: 「またね次郎〜。」

次郎: 「アリガトウー!」

何の恩もきせずに見送ってくれたリト君はちょっとカッコイイ。
僕は家の前で降ろしてもらい、別れを告げた。


袖すりあうも他生の縁。
また君たちとは何処かで会うのかな。


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