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×月×日 数日たって、まり子さんが面会にきてくれた。 |
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色々なことを話したかったが、何から話せばいいかわからず黙ってしまった。 |
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「男の子だったわ。次郎さんの希望通り、まりもって名づけたからね。」 |
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「お父さんから聞いたよ。まりもに早く会いたいな!!」 僕は精一杯、元気なフリをした。まり子さんが心配しないように。 |
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「次郎さん、すぐに出られるわよね。」 |
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「大丈夫。僕は何もしていないから、安心して。」 実際は偽札を作って手を汚してしまったこと。 それもこれも、まり子さんに内緒で遊び呆けていたからだってこと。 色々なことが脳裏をよぎって、申し訳ない気持ちで一杯だ。 |
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「うん、待ってるからね。」 そう言って、まり子さんは帰った。 |
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その夜、僕は泣いた。 自分の馬鹿さ加減と、妻の不安でいっぱいの顔を思い出して。 |
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きっと隣のリト君に聞こえるくらいの大きな泣き声で。 |
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