×月×日
目が覚めると、知らない部屋にいた。


振り返ると、僕以外の人間がいることに気づいた。


「おはよう」

僕より少し若い青年が話しかけてきた。

「名前は?」

「次郎です」

「次郎は昨日ここに連れてこられたんだよー。
僕はその前の日からー。名前はリト、よろしく〜。」


彼はこの状況に怯えていないようだ。


僕は一人じゃなかったことで少し安心して、彼に色々聞くことにした。

次郎: 「じゃぁリト君も、あいつに負けたからここへ?」

リト: 「あ〜[だよん]のオヤジ?僕はあいつがオーナーだって知らなくてさ〜。
強いと思ってなくて掛け金はずんじゃったから大負け。
お金持ってなかったから、ここで働けとか言われちゃったんだ(笑)」


どうやら僕と同じパターンのようだ。


リト: 「それでね、このマシーンで偽札を作れって言われちゃった。
おかしいね(笑)」


全然笑えない。それってヤバイんじゃないか?
と思ったけど口にしなかった。


リト: 「だよんのオヤジが、こうやってレバーを回すだけだよ〜ん
とか言ってたから、超簡単だよ?だよん?」

なんで慌てて真似をしているのか…なんてどうでもよかった。
これはマズイな。悪に手を染めなければ帰ることができないなんて。。。


彼は嬉しそうに使い方の説明を続けた。


リト: 「そしたら、この袋にお金がたんまり♪ってわけ。」


リト: 「これ、少しだけ頂戴してから帰ろうかな!」


そんなことして無事に帰れると思うだなんて、とってもポジティブだ。


リト: 「次郎も簡単だからやってよ。また夜になったらお金を回収しに、
あいつが来るから。交代でやろうよ。」



仕方ない。とりあえず1日は我慢してやるしかないのか。。。
平凡な僕がこんなことに巻き込まれるなんて。
自分のせいだとわかっていても、
上司のコメイ氏を恨まずにはいられなかった。

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