×月×日
3日も連続で来ていたので、バーテンの彼も僕を覚えてくれたようだ。


僕は「あの人」について聞いてみた。


「彼はここのオーナーだよ」
バーテンがテーブルを指して僕に教えてくれた。


いたいた。
僕はお酒1杯で強気になり、さっそく勝負に挑もうとした。


「おいおい!やめとけよ〜オーナーに勝てるやつなんていないんだ!」

焦って制止する彼に、僕は余裕の表情を見せた。

「大丈夫さ、僕は負けたことがないんだぜ?」
(2回しかやったことないけどね)


「俺は知らないよ!どうなっても!」

彼の忠告を聞いてよけばよかったと、今はそう思う。


慣れたそぶりでオーナーのテーブルについた。


この日、僕のビギナーズラックはとっくに尽きていた。
ほどなくして勝負はついてしまった。


大負けだ!
とんでもないことになった。
負けてしまった金額は所持金では払えない。


今日は払えないということを伝えると、
彼はぶきみな笑みを浮かべて近づいてきた。


「心配しなくても大丈夫だよ〜ん」



「払えないのなら、働いてもらうだけだよ〜ん!」

彼の手にはスタンガンらしきものが仕込まれていた。
ビリビリと体に電気が流れて、


僕はその場で気を失った。


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