×月×日
いつものようにスクールバスから降りて成績表を眺める息子を発見したが
今はどうでもよかった。


こんなリアクションは毎度のことだ。
いい加減叱ろうとも思うが、今の僕はそれどころではない。


息子がついにロマンスの本に手を出した。
しかし、これもどうでもいい。
今の僕は忙しい。


妻の日記を盗み見しているからだ。
なになに…

×月×日
私は見てしまいました。
次郎さんの裏切りを。



僕は読むのが恐くなって、途中で日記を閉じました。
なんだか向き合って食事をするのも恐かった。
僕が一体なにをした?


妻がお風呂に入ったすきに、もう一度日記を読もう。
このままでは気になって、息子に「ロマンスの本を読むな」
と叱ることもできない。


僕は気合を入れなおした。
なにが書いてあろうとも恐れるな次郎。


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